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「若手社員は出世に興味がない」は本当か?Z世代の仕事に対する意識を深掘りしてみた!

「最近の若者は・・・」や「今年の新入社員は〇〇志向」など、毎年のように若手社員に対する評価が話題になります。そして昨今は、「若手社員は出世に興味がない」という声をよく耳にしますが、実際はどうなのでしょうか。
今回はシンクタンクなど調査機関のデータも踏まえながら、若手社員いわゆるZ世代の仕事に対する意識を深掘りしてみました。


管理職になりたがらないZ世代、その実態は?

一人歩きする管理職の負の一面

パーソル総合研究所の調査によると、「若手社員が管理職になりたがらない」というのは、概ね実態と合っていると言えます。

しかし、男女や子どもがいるかいないか、学歴や勤める企業規模によって、出世に対する意欲は異なることがわかっています。たとえば、20代で結婚して子どもがいる場合、収入を伸ばすために管理職になりたいと思うのはごく当たり前の発想です。

また出世を光と影で例えると、管理職は責任の重さという影の部分ばかりが広まっていて、やりがいのある仕事という光の部分が若手社員に伝わっていないことが少なくありません。

そういう意味では、管理職の方々が若手社員に仕事の楽しさを伝えきれていないことも、Z世代が管理職を目指さない理由の一つと言えます。

出世は望まないが転職は望むZ世代

新卒で入社した会社には留まらない

転職エージェントで有名なマイナビの調査によると、2023年の新入社員は半数近くが将来的には転職の意向があることがわかっています。

これは単に、日本の高度経済成長を支えた年功序列・終身雇用といったものが崩壊しているだけでなく、Z世代が「個の尊重」を大切にしているからではないでしょうか。たとえば、(病気や冠婚葬祭ではない)プライベートな時間のための有給休暇の取得やハラスメントのない労働環境など、個々の価値観に沿った権利を主張できる働き方を望んでいることです。

また女性の場合は、結婚や出産、独身でいることの選択など、ライフステージが変わることに備えたキャリア形成が重視されています。

こうしたことからも、人材育成や採用担当の方々はZ世代の傾向を理解した上で、人事制度の見直しを検討することが必要です。

Z世代が考える危機感と生産性

不確かな時代だからこそ合理性を重視する

若手社員の半数近くが将来的に転職を考えている理由は社会の変化も理由の一つです。昭和時代とは違って、今勤めている会社が10年後も存続しているかどうかはわからないですよね。

また世界的なシェアを持つ巨大企業のGoogleやアマゾンでさえ、創業100年などの老舗ではありません。10年後にどんな企業が大きくなっているのか、自分はどんな仕事をしているのか、想像がつかない時代でもあります。

なので、Z世代は他社でも通用する人材になるために、成長曲線を描けない会社には危機感を覚えるのでしょう。

もちろん、上司や先輩の立場の方々には「下積みが大事」や「仕事には順番がある」という意見があると思います。しかし、Z世代は「ルーティン業務ばかりでなかなか成長できない」や「数字的な成果があってもなくても評価が変わらない」ことに生産性の低さを感じているのです。

私たち人間はコミュニケーションの充実によって理解し合えるので、何でもかんでもコスパやタイパを重視するのはよくないですが、AI時代の業務効率化は必要不可欠と言えます。

もったいない離職をなくそう

もったいない離職とは?

社会やビジネス環境が急速に変化する中、管理職は目指さないが転職は考えるZ世代。その一方で、見切り発車によってもったいない離職をするケースも少なくないのが現状です。

もったいない離職とは、今の会社でもっと活躍したり、自身の存在意義を見つけることができたりする可能性があるのに、その前に辞めてしまうことです。離職の理由は前項の「Z世代が考える危機感と生産性」でお伝えした通りですが、これにはZ世代と会社側の双方に課題があります。

たとえば、Z世代は人生経験の短さから視野が狭く、会社の負の一面だけを見て早々に辞めてしまうこと。また会社側は彼らの適材適所を見抜けず、ミスマッチな人事やコミュニケーション不足により、モチベーションを低下させているといった課題です。

こうした課題の解決には、企業文化や人材育成プロセスを改善する必要があります。もったいない離職はZ世代だけでなく、会社側にとっても損失(もったいない)なので、世代を超えたコミュニケーションの充実が大切です。

Z世代に寄り添う環境づくり

心理的なサポートの重要性

Z世代の社員が働きがいのある会社にするためにも、彼らに寄り添い、不安を払拭するコミュニケーションは非常に重要です。業務だけでなく、将来のキャリアを相談できるような関係性を築くことで、労働環境は大幅に改善します。

俗に言うブラック企業やハラスメントが起こるのは、価値観の押し付けや対等でない関係性、古い企業文化によって生じる場合がほとんどです。

もちろん、給料や福利厚生などハード面での支えは必須ですが、心理的安全性というソフト面での支えがあってこそ、若手社員は安心して働くことができます。実際、叱責や耳の痛い話であっても、コミュニケーションが充実していれば、彼らはきちんと向き合ってくれます。

会社の未来を担う若手社員の成長を促すためにも、彼らに寄り添った環境づくりが大切です。

まとめ

ここまで若手社員(Z世代)の仕事に対する意識について深掘りしてまいりました。

今回の考察から言えるのは、上司とのコミュニケーションが良好であることや人事制度が充実していれば、管理職を目指すきっかけになったり、転職よりも今の会社で成長のチャンスを伺ったりするということです。
多様性を尊重し、もったいない離職を防止する企業文化の醸成で、若手社員育成の課題を乗り越えましょう。

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情報元:
パーソル総合研究所「働く10,000人の就業・成長定点調査(https://rc.persol-group.co.jp/thinktank/spe/pgstop/pgs/)」より引用
 
株式会社マイナビ「新入社員の意識調査(2023年)https://www.mynavi.jp/news/2023/08/post_39588.html」より引用

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