おすすめCADソフトはこれ!プロレベルの建築デザイン【VectorWorksセミナーレポート】
建築デザインに興味があるけれど、どのソフトを選べば良いかわからない…。そんな方におすすめのCADソフトが「VectorWorks(ベクターワークス)」です。
使いやすさと幅広い機能を兼ね備えたこのソフトは、初心者でもプロレベルの建築パース(建物やその周辺を立体的に表現したもの)を作れます。
このnoteでは、VectorWorksの基本情報から操作スキルを身につけた後に広がる可能性まで、2024年10月に開催されたセミナー内容を交えてわかりやすく解説します。
初心者でもわかるVectorWorksの魅力
VectorWorksとは?
VectorWorksとは、CAD(Computer-Aided Design)ソフトの一つで、建築やインテリアデザインなどの分野でよく使われています。2D製図から3Dモデリングまで幅広い機能があり、企画から完成まで一貫した設計ができるのが特徴です。
VectorWorksの主な機能
VectorWorksには多くの機能がありますが、初心者でもこれだけは覚えておくべき!という機能について解説します。
・2D製図機能
直線・曲線・四角形・円など、手描きでは難しい精密な平面図や断面図、立面図を描くためのツールです。壁や柱の位置を作成したり、部屋や家具の形を描いたり、建築図面やレイアウトのベースを作成します。初めはシンプルな図形を重ねて構成する方法がおすすめです。
・3Dモデリング
2D図面を元に、押し出しツールや回転ツールなどで立体的なモデルを作成します。立体的な設計が可能で、建物や家具、庭園などのデザインをリアルに再現できるのが特徴です。3Dによる表現は、完成イメージをより具体的に把握できるため、クライアントにも伝わりやすいと言えます。
・スナップ機能
オブジェクト同士の端点や中心点に自動的に揃える機能です。寸法を正確に保つなど、位置調整に役立ちます。
・レイヤー管理
レイヤーを使うことで、構造や内装など異なる要素を別々に管理することが可能です。まずは平面・立面・家具といった基本レイヤーを設定して効率的に作業を進めましょう。
・データパレット
選択したオブジェクトの寸法や属性を表示・編集できるツールです。幅や高さなど、直接数値を入力して正確なデザインを作成するために使います。
・ライブラリ
家具や窓、ドアなど、あらかじめ用意されたパーツを図面に配置できる機能です。ライブラリから必要なアイテムをドラッグ&ドロップするだけで設計図に反映できます。
・レンダリング機能
3Dモデルにリアルな質感や光の効果を加える機能で、完成イメージを視覚的に伝えやすくします。木材・金属・ガラスなどの素材や影・光の反射など、細かく設定できるのが特徴です。
・BIM対応
BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)とは、建築物の設計から施工、進捗状況をデータベース化して管理できる機能のことです。VectorWorksはこれに対応しているので、効率的な設計が可能と言えます。
・プレゼン機能
作成したデザインをグラフィックやアニメーションを使ってプレゼン用に仕上げることが可能です。プレゼン資料の作成でよく使われているパワーポイントでは表現しにくいことが、クライアントに伝わるように美しく見せられます。
・拡張性の高さ
AutoCADやSketchUpなど、他のソフトとの互換性が高く、既存の製図やプロジェクトでのデータを活用できる利便性があります。
操作スキルの習得で見据える5つの可能性
VectorWorksの操作スキルを身につけると、どのような可能性があるのでしょうか。VectorWorksはさまざまな分野での用途と利便性がありますが、ここでは5つの可能性について解説します。
1.建築業界での活躍
住宅や商業施設など、設計図面の作成に役立つVectorWorksの操作スキルを身につけると、クライアントや施工チームとスムーズなデータ共有ができるようになります。そのため、建築関連の企業では即戦力としての期待が大きいでしょう。
2.インテリアデザインへの応用
VectorWorksは室内レイアウトや家具配置のデザインなど、高品質なレンダリングやアニメーションを使ったわかりやすいプレゼン資料の作成にも役立つので、デザイン事務所やリフォーム会社でのキャリアアップも可能です。
3.ランドスケープデザイナー
庭園や公園、都市計画のデザインを行う場合にもVectorWorksを活用できるので、ランドスケープデザイナーとしての道が開けるかもしれません。建築家を目指す方にはそのきっかけとして操作スキルを身につけるのも良いでしょう。
4.イベントや舞台設計
VectorWorksのスキルは、イベントや舞台セット(たとえば照明や音響の配置計画など)にも対応できます。イベントプランナーや演出家など、将来的にフリーランスとして活躍できる可能性も広がります。
5.就職や転職での強み
とりわけCADを扱う現場において、VectorWorksのスキルは重宝されています。また、当スキルに加えてCAD関連の資格を合わせて取得すると、転職やキャリアチェンジを有利に進めることが可能です。
建築のプロから学べるセミナーを開催
Winスクールでは2024年10月、FLAGSHIP UMEDA (Winスクール梅田校)にてVectorWorksのセミナーを開催しました。講師はピーシーアシスト株式会社の取締役でWinスクール代表でもある西尾朋久(以下、西尾先生)が務めました。
西尾先生はCADソフトや建築パースに高い専門性を持ち、講師の他、CAD教材の制作・監修の担当、インテリアコーディネーターとしても実践的な知識を提供しています。
今回のセミナーは、講師と一緒に画面を見ながら操作を学ぶスタイルで、初心者でも図面作成の流れやプロセスを実感しながらスキルを習得できるように進めました。
当日に実践したのは次の3つです。
外観パースの作成
パースから立面図の作成
平面図の作成
セミナーを進める中で、西尾先生はVectorWorksの操作について、「最初から完璧な数値で図面を作成しようとするのではなく、大まかな感覚で形を描き始め、その後で具体的な数値を入力して正確に整えるのが理想」と語っていました。
これは建築の仕事に限ったことではなく、仕事を進める上でとても役立つ作業スキルと言えます。
その他、日本の建築についてのお話は印象的でした。
日本の木造建築では「3尺(約910mm)」を基準とした設計が多く見られますが、この基準に合わせた910mmという基本単位を活用することで、日本人にとって親しみやすい空間設計になるとのこと。
また、鉄筋コンクリートのマンションは、ほぼ洋室で図面にはあまり書かれることはありませんが、住宅の広告には○畳という記載があります。これは、日本で建物の広さを表す場合、平米数よりも「畳」のほうが直感的に理解しやすい傾向があるからです。
こうしたお話からも、実際の寸法だけでなくクライアントにわかりやすい情報が含まれる資料づくりの重要性がわかります。
セミナー参加者の声を一部紹介
今回のセミナー参加者は、30代〜40代の方が中心で、建設業で働く方以外の方もいらっしゃいました。初心者も経験者も皆さんそろっておっしゃっていたのは、建築3Dモデリングをもっと学びたい!ということでした。
また、セミナー参加者の75%から「とても満足された」との感想をいただきました。以下は、セミナー参加者の声の一部です(誤字脱字を除いて、原文のまま公開しております)。
おわりに
デザインソフトの経験がある方は使いやすい?
VectorWorksの操作は、Illustrator(イラストレーター)に似ている部分があり、Illustratorの経験がある方は直感的に作業を進めやすいかもしれません。
もちろん、初心者にとっては各機能だけでなく、操作を覚えるだけでひと苦労という方もいらっしゃるでしょう。しかし、先ほどご紹介したセミナーなど、講師と一緒に進めることで実際に図面が完成していくプロセスを体感できます。
また、そうした経験を繰り返すことで、CAD設計の基礎やイメージを掴むことができるので、自信にもつながるでしょう。
まずはやってみよう!
建築デザインに興味を持ったら、まずはソフトを触ってみてください。VectorWorksは将来的にCADの資格取得や建築関連の仕事を目指すためのステップとして最適ツールの一つです。
最初は簡単なトリセツ動画や本で基本操作を学ぶなど、マイペースで構いません。学習を重ねていく中で、もっと本格的に学びたいと思ったら、専門講師から直接学べる講座を受けてみましょう。
VectorWorksは、単なる設計ツールを超えた将来の選択肢が広がる可能性を秘めています。まずは「やってみる」ことで、あなたが思い描く未来への一歩を踏み出してみませんか。
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